秘めた想い 3 (ページ34)

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去って行こうとする瑞稀の手を掴む。

『待ってよ！何それ？ちゃんと俺の話を聞けよ！大体、なんでアンタが謝るんだよ。俺が悪いのに… あんなの俺が、殴られて当然だって思ってる。』

「え… 雄登くん？」

『何だよ…そんな勝手な自己完結するなんて。俺に謝らせてもくれないのか？そんなの嫌だ！なぁ、お願いだから…』

「ちょ、ちょっと…雄登くん。わかったから、落ち着いて。声、大きい。」

人目も憚らす大声を出す俺を慌てて嗜める瑞稀。

気持ちが昂って興奮していたのだろうか…

『ごめん… 傷つける様なこと言って…本当にごめん。でも、これだけは言わせて。俺、瑞稀のこと軽蔑なんてしてない。絶対に。それだけは誤解しないで欲しいんだ。』

真っ直ぐに見つめてそう告げると…
戸惑ったように瞳を揺らす瑞稀。

「ほ、本当に？俺、信じていいの…？」

『うん。こんなこと言えた義理じゃないけど…信じて欲しい。厚かましいお願いだってわかってるけど、俺のこと許してくれないか？』

「そんな…厚かましくなんてないよ。もう、気にしないで。」

『じゃ、許してくれるの？仲直り…してくれる？』

「う、うん。俺も…仲直りしたい。」

そう言って俺に微笑みかけてくれた。

良かった…

もう許してくれないかもしれないって思ってた。

もう二度と、俺に微笑んでくれることもないんじゃないかって…

安心して感極まった俺は、瑞稀をギュッと抱きしめた。