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『 あのさ… 俺、本当はずっと、涼に謝りたかったんだ。』

「 えっ? 謝りたいってどうして… あっ、もしかして俺が瑞稀に告白したこと?」

『 うん… 俺、あの時、何も言えなくて。本当は嬉しかったんだけど、戸惑いのほうが大きくて… 』


あの頃… 俺はまだ子供で。


本当は俺も…涼のことが好きだったのに、自分の気持ちを持て余していて、どうしていいかわからなくなっていた。


今 思えば、初恋だったのだろう…


「 そっか… そんな謝ることなんてないよ。戸惑って当然だし。唐突すぎたよね、俺。後先考えずに突っ走ってしまうとこあるから。」

『 でも… あの後すぐに涼が引っ越してしまって…俺、自分の気持ち、ちゃんと伝えられなかったこと後悔してたんだ。』

「 ほんと…瑞稀は、昔から生真面目なんだから。うん、今こうして再会できて、伝えてくれただけで俺は嬉しいよ。ありがとう。」

『 俺のほうこそ… ありがとう。何だか、ホッとした。』

「 ふふ、なら良かった。それにしても3年も前のことなのに、気にしてたなんてね。まぁ、瑞稀らしいか。」

優しく笑う涼。

『 そう…だよね。俺、引きずるタイプなのかも。涼はもう気にしてなかったのにね。』

「 そんなことないよ。俺だって本当は… 」


さっきまでの優しい表情とは違う。

真剣な眼差しを俺に向けている涼がいた。

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作者名:wawa | 作成日時:2020年8月8日 21時

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