102.飛貴side ページ2
今日は従兄弟の家に遊びに来ている。
食事会するからって突然呼び出されたのだ。
従兄弟の作間龍斗は、俺の一つ下で少し変わってるけど、子供の頃から仲が良くて弟みたいな存在。
『 急に何だよ。誕生日でも何かの祝い事でもないよね?』
「 いいじゃん、別に。久しぶりだし、一緒に遊びたかったの。」
ニコニコと屈託のない笑顔を浮かべる。
見た目は 高校生には見えないくらい大人っぽいけど、笑うと年相応のあどけなさがある。
コイツの笑顔には弱いんだよなぁ…
『 まぁ、いいけど。叔母さんの手料理好きだし。』
「 でしょ? お母さんも飛貴くん来るからって張り切ってるよ。」
『 良妻賢母って…叔母さんの為にあるような言葉だよな。』
「 は? なにそれ、お世辞? そんなことばっかり言って、お母さん煽てるの上手いんだから。」
お世辞じゃないんだけど…
叔母さんは優しくて飾らない家庭的な人。
家政婦を雇わず、この家の家事を取り仕切っている。
他人に任せて楽することもできるのに、家族の世話をやくのが好きらしい。
叔母は、いわゆる一般家庭で育った人で、家柄が釣り合わないと…
当初 祖父は結婚に大反対だった。
だけど…叔父は諦めずに説得し、認めてくれなければ駆け落ちするとまで言い切って、あの頑固な祖父に渋々 認めさせたらしい。
あの温厚な叔父がそこまでするなんて…よっぽど惚れてたんだろう。
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作者名:wawa | 作成日時:2020年8月8日 21時