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『 昨日は…無理させちゃったね。初めてだって わかってたら…もっと優しくしたのに。』
「 だから俺は、何度も誤解だって言ったよ。でも…飛貴くんは聞く耳もってくれなかった。」
『 だって、瑞稀くんがアイツを誑かして家に入り込んできたんだって思ってたから。それにエンコーしてたことも認めてたでしょ? だから…てっきりそうだと…』
本当は申し訳ない気持ちがあったけど、素直に謝るなんて俺にはできなくて…
何だか苦しい言い訳してるみたいだよな。
「 お金に困って…そういうことしようとしたのは本当。だけど…やっぱり怖くて…どうしても出来なくて、いつも直前で逃げ出してたんだ。」
『 そう…だったんだ。まぁ俺の思い込みも認めるけど、瑞稀くんも紛らわしいことしてたんだから…お互い様ってことで。』
悪びれない俺の物言いに、イマイチ納得してないようなジトッとした目で俺を見る瑞稀くん。
その上目遣い…
そんな目で見られるとゾクゾクする。
『 とにかく今日はゆっくりしてて。じゃ、俺は学校行くから。』
そう声をかけて、瑞稀くんの部屋を後にした。
参ったな…
また抱きたくなってしまった。
それなりに こういうことも経験してきたけど… 自分から求めたくなったのは初めてだ。
まさか、瑞稀くんと関係を持つことになるなんて。
今思えば…
初めて会った時から…俺は…
瑞稀くんに惹かれていたのかもしれない。
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作者名:wawa | 作成日時:2020年6月3日 9時