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「 貴方と会うのって、いつ以来かしら?」

『 そうですね… 正月休み以来じゃないですか?』

「 えっ、そんなに経ってたなんて。最近は何かと忙しくて、中々連絡できなくてごめんなさいね。」


よく言うよ…

こんな時だけ母親面するのもいつものこと。

もう飽き飽きしてる。


『 別に、気にしてません。そういえば、お父さんとは会ったんですか?』

「 確か5月頃、帰国してたんだったわよね? 一応、連絡はもらってたけど、私も忙しかったし結局会えず仕舞いだった。」

『 そうですか… それは残念でしたね。』

「 あの人…いつも以上に忙しそうだった。友人の為に何かと世話を焼いていたみたいね。ほんと外面だけはいいんだから。」

『 高校時代の友人だそうです。そこまで尽くすなんて…よっぽど気心の知れた親友なんでしょうか?』

「 さぁ… あの人の昔のことなんて知らないし、興味もないわ。興味があるのは浮所家の後ろ盾と、貴方が家を継ぐことだけ。」


母は お嬢様育ちで、実家も浮所家ほどではないけど、かなりの資産家だ。

だけど…実家を継ぐのは母の弟である叔父で、しかもあまり仲が良くない。


美容サロンを経営している母にとって、浮所家の後ろ盾は重要なのだ。


父と母は、お互いの利害の為の割り切った関係で、言ってみれば夫婦を演じてるビジネスパートナーみたいなものだ。

不仲ではないけど…
お互いに愛情なんてない。

87→←85.飛貴side



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作者名:wawa | 作成日時:2020年6月3日 9時

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