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そんな時… 井上瑞稀が浮所家にやって来たんだ。

中学の時の生徒会長…井上先輩だって、すぐにわかったけど…


どうして先輩がここに?


父親の友人の息子らしいが…

ことの経緯を聞いたけど、どこか釈然としなかった。

それは飛貴も同じだった様で、隠し子なんじゃないかと疑っていた。


まぁ…俺のこともあるし、飛貴がそういう風に疑ってもおかしくはないが。

流石にそれはない気がしてる。
ただの勘だけど…


あの父親の井上瑞稀に向ける態度は…優しく温かなものに思えたから。


あれだけ家族に無関心な男だからこそ、他人には良い顔をする。

そう思った…


それだけではない理由が他にもあるのかもしれないが…


飛貴は、井上瑞稀のこと調べてるって言ってたよな。

もう結果は出たのか?


俺には教えてくれないって言ってたから…わからないけど。


俺は瑞稀にどう接していいのかわからなかった。


飛貴の偽りの優しさに、すっかり騙されてるみたいだったし…

飛貴と仲良くなっていく姿を見てられなかった。


俺も本当は…もっと話したい。

仲良くしたいって思ってるのに…


素直になれない自分がもどかしくて…
つい、そっけない態度をとってしまうんだ。

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作者名:wawa | 作成日時:2020年6月3日 9時

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