愛さない約束 6 (ページ4)

今日:4 hit、昨日:1 hit、合計:5,206 hit

254 ページ4

そう言って俺に微笑みかけてくる。

「瑞稀くんも…本当はずっと、俺のこと忘れられなかったってことだよね？」

『え… バカ言うなよ、そんなんじゃない。』

思わず、目を逸らしながらそう告げる。

「強がらないでよ。ほら…そのブレスレット、今もずっとつけてくれてるんでしょう。」

思わず腕を引っ込めて隠そうとするけど、龍斗に腕を掴まれてしまう。

『これは、ただ気に入ってるってだけ…深い意味なんてない。』

「ほんと強情だね。いい加減に素直になってよ。ねぇ…俺には瑞稀くんしかいないんだ。」

掴まれていた腕をグイッと引き寄せられ、そのまま抱きしめられる。

「瑞稀くんの側にいることが俺の幸せなんだってこと…わかってよ。もう二度と離れないって約束して。瑞稀くんさえいれば…他に何もいらない。」

抱きしめていた腕を解いて、熱い眼差しで俺をジッと見つめてくる。

そんな目で俺を見るなよ…

そんな風に、お前に縋られたら俺は…

『龍斗… お前、ずるいよ。』

「うん、それは認める。だからもう観念して…俺のものになってよ。愛してるんだ。」

愛さないって約束したはずなのに…

断ち切る為に、どんなに辛くても離れたのに…

やっぱり俺には無理だったんだ。

『龍斗… 俺も本当は心の何処かで気づいてた。どんなに足掻いても無駄だってことに。俺は… お前以外、愛せない。』

そう告げると龍斗は微笑んで、そっと俺に口付けた。