愛さない約束 6 (ページ2)

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『お母さんの為だけじゃない…龍斗、お前の為でもあると思って、俺は…』

「勝手なことばかり言わないで！瑞稀くんは何にもわかってない！俺の為なんて…よく言うよ！そんなのはただの自己満足だってわからない？」

龍斗がこんな風に怒りを露わにするなんて…

俺は驚いて、何も言えずに黙り込んでしまった。

「ごめん…俺、つい。取り乱してしまって… 」

『ううん… いいよ。言いたいこと言ってくれて構わない。お前の言う通りだ。俺、どうしていいかわからなくて…何もかも捨てて逃げたくなったんだ。』

「逃げても無駄だよ。俺は、どこまでも追っていくから…それだけは覚えといて。」

鋭い視線を向けてくる龍斗に、思わずゾクっとした。

『龍斗… お前、、まさか俺を探す為に… ？』

「そうだよ… 瑞稀くんの行方は一向に掴めなかったから。俺の存在を忘れられたくなくて…俺が有名になれば、いつか瑞稀くんが俺を見つけてくれるんじゃないかって…そんな望みに賭けたんだ。」

龍斗… 知らなかった。

お前がそんな気持ちでいたなんて。

お前のことを忘れるなんてこと…あるはずないのに。