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すると、那須くんは一瞬驚いた顔をした後に微笑んで、
「 弾みなんかじゃないよ。君が…優しかったから。ごめんね、俺…強引だったよね。」
確かに強引だったけど…
那須くんにあんな一面があったなんて意外だった。
『 いいよ、気にしないで。それに、女の子じゃないんだから、責任とか考えなくていいからね。一夜の過ちってことで忘れよう。』
「 忘れたりなんてしない! 過ちなんて思ってないよ。俺、泣いてる瑞稀くんを見て…瑞稀くんのこと、俺が守ってあげたいって思ったんだ。」
『 那須くん… そんな風に思ってくれたんだね…ありがとう。でも、俺…』
「 瑞稀くんは、誰か付き合ってる人いるの?」
『 えっ、、いや、いないけど… でも…』
「 良かった! 涼くんとは付き合ってないって言ってたもんね。じゃ、俺との事…考えてくれないかな?」
那須くん…俺の話、聞いてる?
なんかやっぱり、強引なとこあるよね…
『 那須くん、ちょっと落ち着こう、冷静になって。』
「 俺は冷静だよ。別れてすぐだし…瑞稀くんが抵抗あるのもわかる。でも…好きになっちゃったんだ。そういうのって、理屈じゃないでしょう?」
『 そりゃ…まぁ、確かにそうだけど…』
「 返事は急がないから… 俺とのこと考えてくれたら嬉しい。」
真面目な顔をして俺の目をジッと見つめながらそう告げてくる。
『 う…うん、わかった。考えてみる。』
「 ありがとう、瑞稀くん。」
那須くんは、ホッとした顔で微笑んでいた。
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作者名:wawa | 作成日時:2019年11月15日 8時