愛さない約束 4 (ページ5)

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翌朝… 目を覚ました俺は途方に暮れた。

どうしよう…

いや…単なる一夜の過ちとして、なかったことにすれば…

大丈夫、だよね？

まさか…こんなことになるなんて…
予想もしてなかった。

那須くんは今日はオフだったよな？
ゆっくり休ませてあげないと。

物音を立てないようにそーっとベッドから抜け出した。

7時か… 何とか一旦、帰ってから着替えて仕事にいけそうだ。

急いで身支度を整えて、洗面台で顔を洗っていると、

「瑞稀くん、おはよう。」

顔を上げると、俺の後ろに立っている那須くんの姿が鏡に映っていた。

『お、おはよう… 』

鏡を見つめたまま、そう返事をする。

「早いね。今日、仕事だったっけ？」

『う、うん。そう… だから、俺、急いでるから。那須くんはオフでしょ？まだゆっくり寝てたら？』

「そうだね。瑞稀くんを見送ったら二度寝するよ。」

『いや、、いいよ。見送りなんて。』

「ううん。お世話になったんだし、それくらいさせて。ねぇ…どうしてこっちを見ないの？」

『どうしてって… 別に。ごめん、鏡越しに挨拶するのって、失礼だよね。』

俺は少し緊張した面持ちで振り返った。

すると那須くんはクスっと笑って、

「ううん、失礼だなんて思ってないよ。瑞稀くん、昨夜のことなんだけど…」

『うん、ほら、お互い冷静じゃなかったっていうか、物の弾みみたいなものだから…昨夜のことは無かったことにしよう。ねっ！』

畳み掛けるように早口でそう伝えた。