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「 俺…瑞稀くんに、話したいことあるんだ。聞いてくれる?」
『 うん。話があるって言ってたもんね。聞くよ。』
そう言いながらも、少し緊張していた。
「 俺さ… 那須と別れたんだ。まぁ…距離置いてたし、舞台後にハッキリさせるって皆にも話してたから、そんな驚いてないと思うけど。」
『 え…いや、、そっか… そうだったんだね。 その…龍我は大丈夫?』
「 俺? 俺は大丈夫だよ。前からもう吹っ切れてたし。」
そう言って微笑む龍我。
「 那須とも前みたいに話すようになって、友達に戻れるって思った。だから…舞台が終わる少し前に話し合って別れたんだ。」
『 そうだったんだね…』
「 うん。でも千秋楽の日に…大昇から那須が倒れたことあったって聞いて…驚いた。 瑞稀くんにも世話になったらしいね。」
『 いや…俺は別に。』
不意にあの日の話が出てドキッとした。
「 別れた翌日のことだったから、俺のせいかもしれないって…那須のこと心配になっちゃって。様子が気になって千秋楽の日、那須の家に行ったんだ。」
俺をジッと見つめながら、淡々と話す龍我。
やっぱり何か勘付いてるのか?
そう思うと…怖くてたまらなくなった。
緊張がピークに達し、心臓が早鐘を打つ。
どうしよう…
後ろめたくて、この場から逃げ出したい衝動に駆られた。
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作者名:wawa | 作成日時:2019年11月15日 8時