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『 そう… なんて言っていいのかわからないけど…ちょっと前までの那須くんは苦しそうに見えてた。』
「 うん、ほんと皆に心配かけてたよね…反省してる。プライベートが影響しやすいタイプなのかな…プロとして失格だよね。」
『 そんなことないよ。人間なんだから… 誰だって、そういうこともあるよ。』
「 そうだね… そうかもしれない。龍我のことは今でも好き。ただ、お互いに熱を失ったんだってことに気づいたんだ。だから…これでスッキリ気持ちを切り替えられる、友達に戻れる。」
熱を失う…
俺も龍斗に対する熱を失うことができれば…兄弟に戻れるのかな?
本当にそんな日が来るのだろうか…
そのほうが、俺の為にも龍斗の為にもいいに決まってる。
だけど、そうなることを望んでいるのかどうかさえも俺には わからない…
そんなことを考えていると、胸の奥がズキっと痛んだ。
『 那須くんは…凄いね。そんな風に気持ちを切り替えられるなんて。』
「 凄くないよ… 吹っ切れるまでに時間もかかったし。…えっ…瑞稀くん? どうかした?」
いけない、、また那須くんに自分を重ねてしまっていた。
バカだ、俺。
『 え、、何? 別に…何もないよ。』
慌ててそう取り繕ったけど…
「 でも… 震えてる。それに…」
そう言って那須くんは俺の頬に手を当てた。
俺の目から涙が溢れていたから…
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作者名:wawa | 作成日時:2019年11月15日 8時