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「 そっか。勘違いだったらごめん。あんな風に飛貴くんが心を許してるなんて珍しいなって思って。ほら、飛貴くんて社交的に見えて、あんまり人に心許さないタイプでしょ?」
一世…さすがに俺のことよく分かってるなぁ…
『 まぁね… 瑞稀くんとは、生い立ちとか、ちょっと似てるとこあってさ… それで安心できたりしてるとこがあるのかも。』
「 ふぅ〜ん、そうなんだ。」
含みのあるような顔でニヤニヤしている一世。
『 何だよ、その顔。』
「 別にぃー、何でもない。まぁでも、信頼できる人がいるっていうのはいいことだよね。俺も安心したよ。」
『 は? そもそもお前に心配されるようなことなんてないから。』
「 はいはい。俺もう寝たいから、シャワー浴びてくる。」
そう言って逃げるようにシャワー室に向かった。
全く…何なんだよ、一世のやつ。
俺をからかってるつもりか?
俺が瑞稀くんのことを好き…だなんて。
俺と瑞稀くんはそんなんじゃない…
付き合ってるわけじゃないんだから。
でも…そう言えば最近、瑞稀くん、忙しいみたいで会えてない。
どうしてるかな? 会いたいなぁ…
そんなことを考えていたら、スマホが鳴った。
藤井くんからだ。
『 もしもし藤井くん、どうかした? うん、明日? 瑞稀くんと? 俺も行く! わかった。じゃ明日ね。』
「 何? 明日、出かけるの?」
風呂上がりの一世が話しかけてきた。
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作者名:wawa | 作成日時:2019年11月15日 8時