初恋 bitter & sweet

10.浮所side ページ10

瑞稀くんは…橋本くんに甘いよな。

あんなことがあったのに…
ただの行き過ぎた我が儘くらいに思ってるんだから。


ふと、1年前のことを思い出す。


そう…
あれは入学式の後だったな…

突然、橋本くんに話しかけられた。

「 浮所、今日から同じクラスだな。よろしく。」

『 橋本くん。こちらこそよろしく。』

中学の頃は、一度も同じクラスになったことはなかったけど…

橋本くんは理事長の息子で、独特のオーラがあって、昔から目立った存在だった。

「 浮所、お前さ、瑞稀と親しかったよな？」

『 え、うん。同じクラスだったし、仲良くしてたよ。そういえば、橋本くんと瑞稀くんは幼馴染みなんだってね。』

「 そうだよ。瑞稀とは、子供の頃からずっと一緒で、まぁ兄弟みたいなものかな。」

そう穏やかに微笑みながら話す橋本くん。

本当に仲が良いんだな。

「 俺はね、瑞稀が誰と何をしようと干渉する気なんてなかったし、特別、気にならないと思ってたんだ。」

橋本くん？
一体、何の話だ？

嫌な予感がしてきた…


「 だけど…ブラコンってやつなのかな？ 俺、お前に嫉妬したみたい。
だってお前は、特別に瑞稀と親しくしてただろ？」

橋本くん…

やっぱり、俺と瑞稀くんの関係に気づいていたんだ。

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