初恋 bitter & sweet

18 ページ18

そんなことを考えていると、

「 浮所？ 難しい顔してる。大丈夫？」

『 え、いや、大丈夫。ちょっと考え事してて。』

「 そう…俺もさ、お前とは状況違うけど、親の決めた相手と一緒に生きていく運命なんだと思ってる。だから…お前の気持ちが何となくわかるんだ。」

瑞稀くん…

そうか、やっぱり。

誰かに共感してもらえることって、こんなにも嬉しいんだ。

『 そっか…俺も何となく、瑞稀くんと俺は、似てるところがあるような気がしてて、ちょっと嬉しい。』

「 うん、俺も。だから、他人事じゃない気がして、勝手にアドバイスしてた。ごめんね。」

『 ううん。有り難かったよ。瑞稀くんの言うことはもっともだって思えたし。』

そう言ってお互いに微笑み合った。

「 でも俺はね、将来のことは将来のこととして、今は今だと思ってるんだ。」

『 今は今って、どういうこと？』

「 将来のこと考え過ぎて、今を見失っちゃダメってこと。今は何にも縛られずに自由に生きていいんだ。例えば恋愛することだって諦める必要はないんだよ。」

恋愛に対する俺の考えを、瑞稀くんに見透かされているような気がして、ドキッとした。

今は自由に生きる…

そうかそうだよな…

目からウロコが落ちたような気がした。

19→←17

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す