初恋 bitter & sweet

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それから、瑞稀くんと俺のマンションで遊ぶ機会が増えていった。

瑞稀くんとは、元から仲良かったけど、話を聞いてもらうようになって益々親しくなった。

一緒にいると楽しくて、安心できて…

今思えば、その頃から少しずつ惹かれ始めていたのかもしれない。


いつものようにゲームしたりして遊んでいると、瑞稀くんが話しかけてきた。

「 その後、婚約者とはどう？ 仲良くなれた？」

『 うーん…あんまり。頑張って話してみたけど、やっぱり合わない。先が思いやられるよ…』

「 そっか…なかなか難しいね。まぁでも何かのキッカケで打ち解けることもあるかもしれないし、気長にコツコツね。」

何かのキッカケで打ち解けるか…

本当にあの婚約者と仲良くできる日なんて来るのだろうか？

考えてみたら、あの婚約者だって複雑な気持ちを抱えてるのかも。

俺と同い年だし、他に好きな人がいたりしたら…

あるいは初恋もまだかもしれない。

それは俺もそうだ。

これまでに女の子と付き合ったことあるけど、自分から誰かを好きになったことなんて一度もない。

現に今だって、恋愛なんて全く興味ないからな…

もし誰かを好きになったとしても、その人と一緒になることはできないんだから。

そんな諦めに似た気持ちが根底にあるから、本気で恋愛する気になれないのかもしれない。

だから、俺は後腐れのない体の関係だけで充分なんだ。

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