初恋 bitter & sweet

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『 それは確かに、嬉しかったよ。このマンションもらえたことも嬉しかったし。だけど…婚約者のことが、どうしても受け入れられなくて…』

「 え、、婚約者！？ 」

瑞稀くんは驚いていた。

『 うん…大人になったってことで、親が俺の婚約者を決めたんだ。将来の結婚相手ってこと。』

「 そっか…それは急だし、戸惑うよね。」

『 俺、これでも覚悟はしてたつもりだったんだ。結婚相手は親が決めるってことは前からわかってたことだし。だけど…実際にその時がくると、気持ちがついていかなくて。』

「 うん、そうだよね…。頭でわかってても気持ちがついていかないことって誰でもあるし、無理もないことだよ。」

瑞稀くんは理解を示してくれた。

『 ごめんね。こんな話聞かされても困るよね…』

「 ううん、困ってなんてないよ。
ただ聞くだけしかできなくて、申し訳ないけど…話してくれてありがとう。」

『 俺の方こそ…瑞稀くんに聞いてもらえて、少し気持ちが楽になった気がする。聞いてくれてありがとう。』

お礼を言い合っていることが、何だか気恥ずかしくなって、お互いに笑い合った。

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