秘めた想い (ページ46)

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思わず言葉に詰まって固まっていると…

「ほんと、大人しそうな顔して…よくやるよね、瑞稀くんは。」

そう言うなり、俺の両手を押さえ込んでのしかかってくる。

『やっ…離して！』

「やだ、離さない。抵抗したって無駄だよ。瑞稀くんは俺に逆らえないよね？」

『飛貴くん… 何を…何するつもり…』

「今更、男と寝ることなんて何とも思ってないんでしょ？だったら…俺が瑞稀くんを買ってあげる。」

『買うって…なに言って…』

「それとも、ここから追い出されたい？ここに来る前の…どん底みたいな生活に戻る？どうするかは…瑞稀くん次第だよ。」

俺の耳元でそう囁いてくる。

ここに来る前の生活に戻る？

そんなの嫌だ… あんな辛い、苦しい生活に戻るなんて…

「それに、お父さんのことも心配だよね。せっかく治療も上手くいってるのに… 瑞稀くんの選択次第では病院を出て行ってもらうしか…」

『嫌だっ！それだけは…やめて、お願い。飛貴くんの言う通りにする…から。』

俺は堪らず、泣きながら懇願した。

「ほんと？良かった！瑞稀くん、いい子だね。賢い選択だよ… 」

飛貴くんは、俺の頬を伝う涙を舐め取って、満足そうに微笑んだ。