秘めた想い (ページ42)

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「 1年前に雄登を連れてきた時もそうだったよ。あまりにも唐突だった。ねぇ、瑞稀くんは…その時の俺の気持ち、わかる？」

淡々とそう告げてくる。

こんな無表情な飛貴くん…見たことない。

『いや…軽々しくわかるなんて言えない。でも…そりゃ複雑だよね… そう簡単には受け入れることなんて出来ないと思う。』

「あははは、やっぱりそう思うよね？あの人はそういうこと、全くわかってないんだよ。まぁ…もう慣れてるけどね。」

何だか…飛貴くんの様子がおかしい気がする。

『飛貴くん… 大丈夫？』

「何が？俺は大丈夫だよ。瑞稀くんこそ、どうかした？」

『いや…俺は別に…大丈夫だよ。』

本当は、今すぐにでも逃げ出したい気分だった。

何なんだ、この胸騒ぎは？

「そう。そんな自分勝手な父親だからさ… 瑞稀くんのこと、調べさせてもらったよ。」

『え… 俺のことを？』

「そうだよ。一緒に暮らすんだから、素性くらいちゃんと調べておかないとね。そうでしょ？」

そう言って俺に笑い掛けてくる。

いつもと同じ笑顔だったのかもしれない…

だけど…この時の俺には、人の悪い笑顔にしか見えなかった。