秘めた想い (ページ41)

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「どうぞ、入って。」

『うん。お邪魔します。』

飛貴くんの部屋は広いな。
俺の部屋の倍くらいはありそう。

「その辺に座ってて。鈴木さんにお茶頼んであるから。」

しばらくすると、鈴木さんが紅茶とケーキを持ってきてくれた。

「ありがとう。後は俺がやるから、もう下がっていいよ。」

「そうですか、わかりました。では、飛貴様、瑞稀くん、失礼します。」

『ありがとうございます、鈴木さん。』

鈴木さんは笑顔で一礼して、部屋を後にした。

飛貴くんがカップに紅茶を注ぐと、紅茶の良い香りがした。

「はい、どうぞ。アールグレーだよ。」

『ありがとう。いい香り…頂きます。』

早速、ケーキと一緒に頂くことに。

「うん、ケーキも美味しいね。」

『本当、美味しい。』

美味しいけど…

色々と気になってることがあって…
いつもより味わえてなかった気がする。

話って何だろう？

少し緊張してきた…

「瑞稀くん。俺、回りくどいことは苦手だから単刀直入に話すね。」

『え… あっ、うん。』

「お父さんが…いきなり瑞稀くんを連れてきて、凄く驚いたし、正直…戸惑ったよ。お父さんの手前、平静を装ってたけどね。」

『うん… それは、当然のことだと思うよ。ごめんね、俺…』

「いや、瑞稀くんのせいじゃない。お父さんが強引だったってことは…わかってるから。あの人はいつもそうなんだ。」

飛貴くん…？

いつもと違う冷ややかな表情に見えて…

俺は急に不安な気持ちになった。