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俺は子供の頃から、家も裕福で何不自由なく育ってきた。
母親が早くに亡くなったこと以外は、順風満帆だったんだ。
父親との関係も良好で、友達にも恵まれ俺は幸せだった。
だけど…父親の会社が傾いてきたことをキッカケに、段々と人生の歯車が狂い始めた。
信頼していた部下に裏切られ、会社は倒産し、家も差し押さえられ、過労と心労が重なった父は病に倒れた。
父がこんな苦境に立たされていたなんて…
高校生だった俺は、父が倒れるまで全く気づかなかった。
俺に心配かけたくない一心で、きっと無理していたんだ。
病院に駆けつけた時…
病床の父が、“ 瑞稀、すまない“ とうわ言の様に繰り返す姿をみて、涙が止まらなかった。
お父さん…ごめん。
こんなになるまで気付かなかったなんて…
たった1人の家族なのに。
俺は自分の不甲斐なさに打ち拉がれた。
頼れる人もいない…
俺が何とかするしかないんだ。
これからは俺がお父さんを守らなきゃ…
そう決意して、俺なりに頑張ってきたつもりだったけど…
毎日の様に債権者達が家に押しかけて来るようになり、家にも帰れなくなって…
追い詰められた俺は、精神的にも体力的にも限界だった。
そんな時に、浮所さんと出会ったんだ。
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作者名：wawa | 作成日時：2020年4月29日 17時
