秘めた想い (ページ38)

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「だから…龍我のことは那須先輩への当て付けだったんじゃないかと。」

当て付けって…

そういえば、雄登くんもそんなこと言って飛貴くんと口論になってた。

「龍我は那須先輩のことを慕ってるから、会長はそれが気に入らなかったんじゃないかって…そんな気がして。」

『え、それはないでしょ。飛貴くんだって、いくら雄登くんと不仲だからって、そんなことしないと思うよ。猪狩くんの考え過ぎだ。』

「やっぱり、不仲なんですか？」

『いや、それはただ単に言葉の綾だから！本当に2人の仲は…よく知らない。不仲なのかどうかも。ただ…仲良くは見えない。』

『せっかく、縁あって一緒に暮らしてるんだから…皆で仲良くしたいって…俺は思ってるんだけどね。』

「井上先輩は… 平和主義者なんですね。そりゃ仲良くできるのが1番だけど…気が合うかどうかはまた別ですから。」

『うん… そうだね。なかなか難しいよね。』

「先輩は…龍我と似てる気がします。」

『え、俺が？』

「はい、どことなく。人を疑うことを知らないような…そんな感じがします。」

『 …雄登くんにも似たようなこと言われたけど… そんなんじゃ生きていけないって。』

「そうですよ。井上先輩、気をつけてください。俺は、会長は怖い人だと思ってます。」