秘めた想い (ページ33)

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「厳しくするだけじゃなくて、ある程度の寛容さは必要かもね。北風と太陽みたいに。佐藤のことは上手く取り計らっておくから、安心して。」

『ありがとう。飛貴くん。』

優しく微笑んで頷いている飛貴くん。

良かった…

飛貴くんならわかってくれるんじゃないかって思ってた。

ホッとした面持ちで、自分の部屋へ歩いていくと…

部屋の前に雄登くんが立っていた。

雄登くん、もしかしてさっきのこと怒ってるのかな…

『雄登くん、あの…さっきはゴメン。俺…』

「何であんたが謝るんだよ。」

『え…だって、俺のこと怒ってるんじゃないの？』

「別に怒ってない。それより…遅かったな。飛貴と話してたのか？アイツ…何か言ってた？」

『何かって… 反省室のこと話してて、それでちょっと厳しすぎなんじゃないかって思って。』

「え、、まさかそれ、飛貴に言ったの？」

『うん。怒られるかと思ったけど…飛貴くん、わかってくれたよ。見直してくれるって言ってた。』

「嘘だろ？口だけではどうとでも言える。アイツが本気でそんなこと言ったって思ってるのか？」

『それは… わからないけど…少なくとも俺は、本気だって信じてるよ。』

「ふーん。飛貴のこと、よく知りもしないくせに…どこまでも甘い奴。」

吐き捨てるようにそう言う雄登くん。