秘めた想い (ページ30)

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『飛貴くん…そんなに厳しいんだ。』

そんな風に見えなかったけど…

でも、生徒会長として生徒一同を束ねていくには、厳しい態度を取らざるを得ない時があるのかもしれない。

「意外そうだね。飛貴は物腰柔らかく見えて、昔から厳しいところがあるんだ。」

『そっか… 藤井くんは幼なじみだから、飛貴くんのことよく知ってるもんね。』

「うん、まぁね。それに…飛貴は自分に逆らう者には容赦がない。だから余計なことに首を突っ込まないほうがいい。いいね？」

いつも笑顔の藤井くんが、真剣な顔でそう告げて来る。

『う、うん… わかったよ、藤井くん。』

そう言うと、藤井くんはホッとした様に微笑んだ。

あの飛貴くんが…

そんなに厳しくて容赦ないなんて、にわかには信じ難い…

俺には本当に優しくしてくれてるから。

付き合いの短い俺より藤井くんのほうが、きっと飛貴くんのことわかってるとは思うのだけれど…

その日、家に帰ると玄関先で慌てた様子の鈴木さんが声をかけてきた。

「瑞稀くん、おかえり。大変なのよ、ちょっと来て！」

『えっ、、ちょ、ちょっと、どーしたんですか？』

「リビングで、飛貴様と雄登様が口論してて… 」

え、、兄弟喧嘩？