秘めた想い (ページ25)

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「いえいえ、そんな先輩だなんて。まさか井上会長に会えるなんて、この学園に来て本当に良かったです。」

『ははは… ありがとう。でも会長はやめてよ、中学の時の話なんだから。』

「あはは、それもそうですよね。それじゃ、井上先輩って呼んでもいいですか？」

『うん、そんな感じで。』

「はい！俺のことは龍我って呼んでくれたら…嬉しいです。」

『うん、わかった。』

そう言うと満面の笑顔を向けてきた。

人懐っこくて可愛い子だよなぁ。

まさか中学の後輩に会うなんて驚いた。

ここは私立の大学附属の学園で、外部入学生はそもそも少ないと聞いていたから。

『龍我は、外部入学生なんだよね？』

「はい、そうなんです。だから入試のレベルも高くて。もう必死で勉強しました。」

『それは大変だったね。でも受かったってことは龍我は優秀ってことだよね。』

「えへへ、ありがとうございます。中学の時に仲良かった先輩と同じ学校に通いたくて。頑張った甲斐がありました。」

それじゃ、Ｊ中学出身者が他にもいるってことなのか？

気になって話を聞こうとすると、誰かがこちらに走ってくるのが見えた。

「龍我！何やってんだよ！午後の授業始まるぞ！お前、昨日も遅刻しただろ。」

険しい顔をした龍我のクラスメイトらしき人物が声をかけてきた。