秘めた想い (ページ22)

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ダイニングで食事を済ませた後、リビングに行くと、雄登が寛いていた。

珍しい… いつもすぐ自室に篭るのに。

『雄登！珍しいな、何してんの？』

声をかけると、少し驚いた顔で振り返った。

「別に。ただ今日は月が綺麗だったから… 少し月明かりを浴びていたくて、窓際に立ってたんだ。」

月明かりだと？
ふざけたことを言う奴。

『ふーん、そう。』

「さっき、鈴木さんが通りかかって紅茶淹れてくれたから、飲みながら少しゆっくりしてたとこ。良かったら飛貴もどう？」

『いい香りがしてると思った。せっかくだから、俺も頂こうかな。』

向かいのソファに腰掛けると、雄登が紅茶を注いでくれた。

「はい、どうぞ。アールグレーだよ。」

『ああ… 1番好きな紅茶だ。』

「俺も。案外、似たところあるのかもね。」

コイツ… よくもぬけぬけと。
図々しいやつ。

『そうかもね。でも…血の繋がりはあっても俺はお前のことなんて認めてないから。』

「ははは… それはこっちの台詞だよ。別に飛貴に認めてもらう必要なんてないし。」

『お前… 何を企んでる？』

「別に何も。俺が何を企む必要があるの？教えてよ。」

『俺が知るか！婚外子のくせに偉そうにするな。』

「偉そうだった？気に障ったのなら気をつけるよ。悪かった。」

曖昧な笑みを浮かべる雄登。

相変わらず…何を考えてるのかわからない。