秘めた想い (ページ19)

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飛貴くんだ！

「瑞稀くん、お待たせ。お腹すいたね。雄登…お前はもう食べ終わったの？」

雄「ああ… とっくにね。ごちそうさま。それじゃ、お先に。」

それだけ言ってダイニングを後にした。

「相変わらず、素っ気ない奴。」

呆れた様子で息を吐く飛貴くん。

『今日は、ビーフシチューだって。』

この場を取り繕うように言うと、

「へー、それは楽しみ。結構、好きなんだ。」

『うん、俺も。楽しみだね！』

それから俺と飛貴くんは、ビーフシチューに舌鼓を打った。

雄登くんが何か言いかけていたのが少し気になっていたけど…

また話す機会あるかな？

やっぱり、俺が思っている以上に複雑な関係みたいだ。

そうだよな…当事者にしかわからない。

他人の俺は、どこまで踏み込んでいいのかわからなかった。

いや、そもそも首を突っ込むべきではないのかもしれない。

だけど…せっかく一つ屋根の下に暮らしているのだから、皆で仲良くしたいって思うのは、俺のわがままなのだろうか？

浮所さんも…兄弟仲良くすることを願っているんじゃないかって思うから。