秘めた想い (ページ16)

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父は浮所さんの親戚筋の病院に転院し、治療を受けていた。

浮所家に馴染みのある病院なので、飛貴くんもよく知っている病院みたい。

病室をノックすると、すぐに返事が聞こえたので中に入る。

『お父さん… 調子はどう？』

「瑞稀、ああ…今日は少し気分がいい。」

『そっか、なら良かった。今日は、飛貴くんがお見舞いに来てくれたよ。』

飛「初めまして、浮所飛貴と申します。これ…お好きだと父から伺ってましたので、どうぞ。」

父の大好物であるシャインマスカットの入ったフルーツの詰め合わせを差し出した。

『え…飛貴くん、いつの間に…』

飛「事前に注文して病院に届けさせておいたんだ。」

凄い…根回しがいいな。

素直に感心していると、

「これはこれは、わざわざありがとうございます。」

そう言って笑顔を見せるお父さん。

飛「いえ。お大事になさってくださいね。瑞稀くんのことは浮所家でサポートさせていただきますので、ご安心を。」

「ありがとう…。出発前に君のお父さんも見舞いに来てくれてね。飛貴くんは本当にしっかりしてて頼りになると聞いていました。瑞稀をよろしく頼みます。」

飛「はい、お任せください。」

それから通い始めた学校のことを話したりして、しばらく談笑した。