秘めた想い (ページ11)

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部屋に戻って学校の準備をしていると、お手伝いさんが制服を持って部屋にやって来た。

「瑞稀くん、制服届いたよ。ちょっと着てみて。」

『鈴木さん、ありがとうございます。』

鈴木さんは、浮所家に仕えるお手伝いさんの中でもベテランらしく、浮所さんにも頼りにされている人だ。

面倒見が良くて、俺のこともよく気にかけてくれている。

「うん、とっても似合ってる。良かったね、また高校行けることになって。裾直しが少し必要ね。明日までには仕上げておくから。」

『はい、よろしくお願いします。あの、鈴木さん。ちょっと聞きたいことが…』

「なに？どうかした？」

『飛貴くんと雄登くんって双子なんですか？顔はあまり似てないから二卵性の双子なのかなぁって。』

「 …いや…まぁ…ちょっと事情があってね。」

鈴木さんらしくない…歯切れの悪い物言いだ。

『ご、ごめんなさい。余計なこと聞いちゃって、今の聞かなかったことにしてください。』

何か特別な事情があるんだ。

何となく気になってたけど、詮索するつもりはない。

俺だって…こんな形で居候させてもらってる訳だし。