天使の恋わずらい (ページ9)

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俺は元から人懐っこい性格で、人の懐に入るのは得意だ。

それに、瑞稀のことは知り尽くしているから、すぐに仲良くなれた。

これまでもずっとそう…

俺はいつも瑞稀にとって、とても近しい存在だった。

だからきっと…

瑞稀からアイツのことを相談される日が…再びやって来るのだろう。

瑞稀の運命の相手のことを。

辛いなぁ… そんな日が来なければいいのに。

「 …龍我ってば！さっきからずっと呼んでるのに、なんで無視すんの！」

『あっ、えっ… ごめん。ちょっと考え事してて… ボーッとしてた。』

ハッと気がつくと、ムスッとした顔の瑞稀が俺の横に立っていた。

「お前が考え事？いつも能天気なのに…らしくないなぁ。」

『そんなこと言う？俺だって色々、悩みとかあるんだよ。』

「ふーん…悩みね。俺で良ければ相談にのるよ。」

『いや、、いいよ、遠慮しとく。』

瑞稀に相談できるようなことじゃないし…

「何だよ、俺じゃ頼りにならないってこと？あっ、、信用してないとか？それ、ひどくない？」

『ちょっと、勝手な被害妄想やめてよ！そういうことじゃなくて… 自分でも考えがまとまってなくて、それで…』

「冗談だよ、冗談。わかってるよ、俺に相談したくなったら言ってね。いつでも聞くから。」

そう言って屈託なく笑う。

『うん… ねぇ瑞稀、これから遊びに行かない？』

「あー、ごめん。今日はバイトなんだ。また今度。」

『そっか、残念。それじゃ、またね。』

その日はお互いに手を振って別れた。