天使の恋わずらい (ページ6)

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だけど瑞稀は違う。

今まで一度も俺のことを覚えていたことなんてなかったのだから…

まさかね… ただ勘違いしているだけなのだろう。

似た人に会ったことがあるとか、そんな程度のものだ、きっと。

だけど、こんな風に最初から親近感を持ってくれていることが、素直に嬉しかった。

『そう？俺、瑞稀と同じ大学に通ってるから、どこかですれ違ってたことがあったのかもしれないね。』

「え、同じ大学なんだ。そっかー、奇遇だね！じゃ今度、お礼に学食でも奢らせてよ。」

『いいの？悪いよ…ただ拾っただけなのに。でも一緒に学食行くのは賛成。』

「あははは、遠慮しないでよ。うちの学食めちゃくちゃ安いんだから。知ってるでしょ？」

『あ、、ああ、まぁね。じゃ、お言葉に甘えさせてもらおうかな。』

「うん、任せて。」

それから連絡先を教えて貰って、後日、大学で会う約束をした。

スマホ… ってなんだ？

新しい携帯電話のようだけど…

この20年の間に、また色々と進化したなぁ。

その辺の物を調達して、使いこなせるようになっておかなきゃ。

久しぶりの下界での生活に、少し浮き足立っていた。

瑞稀… 相変わらず可愛かったなぁ。

あの瞳に見つめられたら…抗えない。

俺を捉えて離さない。

何度でも会いたくなる。

転生する度、君のことを追いかけてきたんだ。

ずっと…ずっとね。