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『 俺、天界に戻るよ。』
「 そっか… うん、そうするのがベストだよね。あの子の為にも、龍我の為にも。」
そう…全てを元に戻す。
そうすれば何も変わらない。
今までみたいに、遠くから瑞稀を見守っていけばいいんだ。
『 …元に戻るだけなのにな。今までと何も変わらないのに… どうしてこんなにも…』
「 えっ… ちょっと、龍我、どうしたの？」
気がついたら俺はポロポロと涙を流していた。
「 泣くなよ、龍我。あの子もお前も大丈夫だよ。ほら、また来世で会うことだって出来るんだから。ずっとお別れじゃないだろ？ 元気出せって。」
必死で俺を慰めようとしてくれている飛貴。
『 そうだな… 2度と会えない訳じゃない。』
だけど、愛し愛されることなんてもう二度と…
俺にとっては、本当の意味で元に戻ることなんてない。
今生での瑞稀とのこと…忘れられるはずがない。
きっとこれまで以上に、瑞稀を見守ることが辛くなる。
それが俺に課せられた罰なのかもしれない…
『 俺、ちゃんと気持ち切り替えるから。』
飛貴を安心させたくて、無理やり笑顔を作った。
「 うん。早くいつもの元気な龍我に戻って欲しいから…俺に何かできることがあったら何でも言って。」
『 ありがとう…飛貴。ひとつだけ、お前に頼みたいことがあるんだ。』
「 うん、わかった。俺は何をすればいいの？」
『 俺、天界に戻ったら…きっと、しばらくは辛くて、下界のこと見れないと思う。だから…俺の代わりに瑞稀のこと見守って欲しい。』
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作者名：wawa | 作成日時：2020年3月12日 8時
