天使の恋わずらい (ページ32)

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雄登… 俺の為に…

瑞稀の運命を変えたのは俺かもしれないって気づいたんだ。

そんなことが神に知れたら…

俺もタダじゃ済まないってわかってるから…

『雄登… お前は、全部わかってたんだな。』

「全部ってわけじゃないけど… お前が、あの子にずっと特別な想いを持ってたこと知ってたから…」

『うん… 俺、ずっと… 好きだったんだ。だから瑞稀が振り向いてくれて、嬉しくて舞い上がっちゃって。一瞬でも、瑞稀との未来を夢みたりしちゃってさ。バカだよな…ほんと。』

自嘲するように笑う。

そんな俺を辛そうな顔で見つめる雄登。

「龍我… 泣くなよ。辛いだろうけど… お前がしっかりしなきゃ。」

気がついたら、俺はポロポロと涙を流していた。

そんな俺を、泣き止むまでずっと抱きしめてくれていた。

『ありがとう…雄登。もう…大丈夫だから。』

「うん… ちゃんと気持ち、切り替えられそう？」

『それは…わからない。だけど切り替えられるよう努力する。このままじゃいけないってわかってるから。瑞稀の運命に何が起こってるのかビブリオで調べてくるよ。』

「そうだな。それがいいと思う。何か大変なことが起こってる可能性が高い。そんな気がする。」

『うん… そうだよね。後は自分で何とかするから。それじゃ、また。』

「龍我！無理だけはするなよ。何か困ったことがあったら、いつでも相談にのるから。」

『わかった。ありがとう、雄登。』