天使の恋わずらい (ページ29)

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「え！？天界からの呼び出しって…まさか神から？マズイよ。やっぱり今回のことなんじゃないの… 」

不安そうな顔で俺を見つめる飛貴。

『心配するな…神からじゃない。雄登からの呼び出しだよ。』

「雄登から？あの優等生が一体、何の用で？」

『さぁ…それは雄登のところに行ってみないと分からない。』

「いずれにしても大変なことにならなきゃいいけど…胸騒ぎがするんだ。」

『何だよそれ。能天気なお前らしくないな。』

クスッと笑いながらそう言うと、

「ちょっと！俺は、本気で龍我のこと心配してるんだよ。それを…」

『わかってるって。ごめん、冗談だ。まぁとにかく雄登に会ってくるよ。話はそれからだ。』

「う、うん。わかった。連絡待ってる。」

それから飛貴と別れて、天界に向かった。

天界に行くのも天使の姿に戻るのも…久しぶりだな。

雄登の奴… いきなり呼び出すなんて。

雄登は、神から一目置かれるほど優秀で、俺と違って生真面目な性格。

生まれた日も同じで、昔から仲も良くて、言ってみれば兄弟みたいな間柄だ。

ただ… 生真面目すぎるが故に、お節介というか口煩いところがあって…

いい奴だけど、最近は少し敬遠していた。

俺を呼び出したのは…たぶん、説教するため…かな。

今までも何度となく、地上に降りることを咎められていたし。

重苦しい気分で、雄登の元へと向かった。