天使の恋わずらい (ページ2)

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どうしてって…それは…

飛貴にはきっと理解できないだろう。

最初は…ただの興味本位で地上に降りただけだった。

だけど、仮の姿で側にいるうちに…

気がついたら離れ難くなっていたんだ。

この俺に、人間と同じような感情が芽生えるなんて…思ってもみなかった。

迂闊に地上に降りたことを…半分、後悔している。

あの子と出会って、俺に笑顔を向けてくれることがとてつもなく幸せなのに…

どんなに一緒にいたくてもそれは絶対に叶わないから…

叶わないのに…近くにいたくて。

あの子が運命の相手と出会い、惹かれ合うのを何度も見てきた。

何度も目の当たりにして、嫉妬で身を焼かれるように苦しくても離れられない。

あの子の儚い命が散るまで…ずっと。

この300年、何度も何度もその繰り返し。

下界に居過ぎたせいだ…

俺はもう、人間的感情に支配されてしまってる。

だから…飛貴には到底わからない感情なんだ。

『説明したところで、お前にはわからないよ。』

微笑みながらそう言った。

「なんだよ… 教えてくれたっていいのに。」

『お前も、地上に降りてみればわかる…かもしれない。』

「遠慮しとく。あくまでルール違反だってこと忘れるなよ！」

『わかってるって。お前に心配されるまでもない。』

わかってるけど…やめられないんだ。

どんなに苦しくても側にいたい。

会いたい気持ちのほうが勝ってしまうから…

俺は、再び地上へ降りてしまうんだ。