忘れられない人 (ページ10)

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入り口まで先輩と連れ立って歩く。

「今日は、来てくれてありがとう。打ち上げにも付き合ってくれて。」

『いえ、こちらこそ。楽しかったです。』

笑顔でそう告げると、先輩は少し照れたようにはにかんで、

「本当はもっと、瑞稀くんと話したかったんだけど、なかなか話せなくて。」

『先輩は人気者ですからね。ファンクラブまであるって聞きました。凄いですね。』

「え、いや… なんかそんなこと言われると、ちょっと恥ずかしいな。」

照れくさそうにアタフタする先輩。

意外に可愛いところあるんだな。

そんな先輩の様子に思わずクスっと笑ってしまった。

『それじゃ、先輩。失礼します。』

「瑞稀くん！あのさ、もっとゆっくり話したい。今度、2人で遊ばない？」

『え、、あの、、2人でって。』

「お願い！瑞稀くんのこと知りたいんだ。だから、連絡先教えて！」

そんな高橋先輩の勢いに押されて、連絡先を交換した。

俺も少し、高橋先輩と話してみたいと思ったから…

高橋先輩は、マメな人でラインを頻繁に送ってくる。

俺は面倒くさがりというか、あまりマメじゃないので最初は戸惑ってしまったけど…

先輩は既読スルーも気にしないって言ってくれたから、自分のペースで返信するようにしている。

じゃないと、疲れちゃうから(笑)