忘れられない人 (ページ49)

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『そんなに…責めないでよ…』

「ごめん…キツイ言い方して。ずっと気になってたことがあるんだ。もしかして…飛貴が…何かした？」

え！？直樹…何か知ってる？

俺は内心、かなり動揺していた。

『何かって…どういう意味？』

「いや…俺が合宿に行ってる間、親と飛貴も旅行に行く予定だったんだけど、飛貴だけ行かなかったみたいで。変だなって思ってたんだ。」

「アイツは、用事があったからって言ってたけど…その日、本当は瑞稀くんと一緒だったんじゃないの？」

これはもう…言い逃れはできない。

嘘ついたとしても、うちの親に確認されたらすぐにバレるし…

もう確認済だったとしたら、墓穴を掘ってしまう…

『あーそういえば、その日、飛貴と遊んだよ。勉強の息抜きに水族館に行ったんだ。』

何でもないように話す。

「そっか…やっぱり、そうだったんだね。いま思えば、その頃から瑞稀くんの様子がおかしかった気がして。飛貴と何か…あったの？」

『別に何もないよ。久しぶりだし、一緒に遊んだだけ。大体、何かって何だよ？』

「それは… その… 飛貴は…瑞稀くんに幼馴染み以上の感情を持ってるんじゃないかって…ずっと心配だったから。」

直樹… お前は前から心配してくれてたのに…

俺は全く気づいてなくて…

気づいていたら、何か変わっていたのだろうか？