忘れられない人 (ページ46)

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映画の内容は、アットホームな雰囲気の感動モノだった。

俺は思わずウルっとしたけど、飛貴は泣きじゃくっていた。

『ちょっと…そんなに泣くなよ。』

「だって、、だって、、感動したんだもん。泣いちゃうよ…」

こういうところ、昔から純粋で可愛いなぁって思う。

『はいはい…全く、涙もろいんだから。』

俺は飛貴が落ち着くまで、肩を抱いてポンポンと叩いていた。

「瑞稀くん、ありがとう。そろそろ行こうか。」

それから映画館を後にして、カフェで休憩することに。

『映画、面白かった。いい作品だったね。』

「うん、俺めっちゃ感動したよ。」

『お前、泣きすぎ！びっくりしたよ。』

「あははは、、ごめんね。」

『まぁ…いいけどね。そういうとこ、可愛いって思うし。』

「あー、また子供扱い？大体、一個しか違わないでしょ。」

拗ねたように口を尖らせる飛貴。

『そうだけど、その差が大きいんだよ。俺は高校生で、お前は中学生なんだから。』

「あー、やだやだ。偉そうに。俺も半年後には高校生なんだからね！」

『あははは、そうだね。本当にうちの高校受けるの？』

「もちろん。瑞稀くんの近くにいたいし… すぐに追いつくから、待ってて。」

ニコニコしながらそんなことを言う姿が健気に思えて…

『うん、待ってる。落ちるなよ！』

「不吉なこと言わないでよ！大丈夫、自信はある。」

まぁ、飛貴は優秀だからな。