忘れられない人 (ページ41)

今日:12 hit、昨日:0 hit、合計:22,616 hit

41 ページ41

段々と深くなるキスに、頭がボーッとなってくる。

『 …んっ、、ひだか、もう…』

「ごめん、つい夢中になっちゃった。本当はこのまま瑞稀くんとしたいけど…2人きりじゃないから無理だもんね。」

『お前…なんてこと言うんだよ！それに、1回だけって約束だったのに…』

「俺が卑怯なことは、わかってる。でも諦められない。瑞稀くんを求める気持ちを止められないんだ。」

切なそうな顔でそんなこと言われると、何も言えなくなってしまう…

再び俺をギュッと抱きしめて、

「わがままでゴメンね。じゃ、またね、瑞稀くん。」

そう言って飛貴は部屋を出て行った。

俺は…飛貴にどう接していいのか、わからなくなっていた。

そして夏休みが終わり、2学期が始まった。

「おはよう！瑞稀くん。」

『おはよう、直樹。心配かけてごめんね。ただの夏休みの憂鬱だっただけだから。』

「あははは、、うん。その気持ちはわかるよ。今日からまた始まっちゃったね。」

そんな話をしながら学校へ向かう。

「そういえば、今日、部活だね。ダンス部のメンバーと会うのも久しぶりだよね。」

『そうだな… 皆、日焼けしてたりして。』

「ありそう。瑞稀くんは、優斗先輩に会えるの楽しみでしょ？」

『え！？うん、そうだね。』

俺は曖昧な相槌を打つしかなかった。