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直樹には…
本当のことなんて話せない。
優斗先輩とのことは、学校が始まれば、直樹の耳にも入ると思うけど…
飛貴とのことは…
絶対に知られたくない。
直樹との関係を壊したくないから…
直樹は、あんなに不安がって心配していたのに…
俺は何もわかっていなかったんだ。
「…ずきくん…瑞稀くん？ どうしたの、ボーッとして？」
『 ごめんごめん、ちょっと疲れてて。』
「 出かけてたみたいだもんね。どこ行ってたの？」
『 ちょっと気晴らしに買い物にね。』
「 そっか、じゃゆっくり休んでね。俺も帰るよ。」
『 うん、お土産ありがとう。またね。』
直樹を見送ると…
気が抜けて ため息が出た。
もうすぐ夏休みも終わる。
この夏はいろいろなことがありすぎて… 自分の中で整理しきれていない。
あの日以来、出かける気力も起きなくて、家にこもりがちだった。
来週から学校か…行きたくないな。
先輩…どうしてるだろう、、
怒ってるかな？
きっと俺に腹を立てているよね…
もう口も聞いてくれないかもしれない。
自分で蒔いた種だけど…
想像するだけでも辛いな、、
そんなことを考えていると、階下から母親の声が聞こえた。
「 瑞稀ー！ 飛貴くんが来たわよー。」
え！？ 飛貴…？
内心、緊張が走った。
「 瑞稀くん、久しぶり。どうしてるかなぁって思って？」
いつもと変わらない…
屈託のない笑みを浮かべている。
飛貴とは、あの日以来だ…
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作者名：wawa | 作成日時：2019年7月9日 9時
