忘れられない人 (ページ27)

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翌朝… 目が覚めると、昨日のことはやっぱり夢なんじゃないかと半信半疑だったのだけれど…

優斗先輩からのラインが入っていて、現実だったのだと確認できた。

俺は嬉しさを噛み締めて、思わず笑みが溢れた。

気持ちの良い目覚めに微睡んでいると、突然部屋のドアが乱暴に開いた。

「おっはよー！瑞稀くん！」

『は、え？直樹？何だよ、こんな朝っぱらから！』

「いや、だってそりゃ、気になって仕方なくてさー、昨日、優斗先輩とどうだったの？告白された？」

いきなりそんなことを言われて、思わず顔が赤くなる俺。

「わー、やっぱり。良かったね、瑞稀くん。両思いになれて。ほんと、良かったよ。」

まるで自分のことの様に喜ぶ直樹。

『うん…ありがとう。まだ、現実感ないんだけどね。』

「うんうん… まぁこれも俺のおかげだね！ 2人っきりにしてあげたんだから。」

調子いいんだから…でも確かに直樹のおかげだよな。

『そうだな、お前のおかげだよ。』

「で、優斗先輩と付き合うことになったの？」

『え、それは、まだ。今度、先輩が修学旅行から帰ってきたら返事することになってるんだ。』

「えー、ここに来てなんでモタモタしてんだよ。まぁ、奥手な瑞稀くんらしいと言えばらしいか。」

なんて可笑しそうに笑う。

『ほっといてよ。どうせ奥手だよ、俺は。』

「でも本当に、良かった。おめでとう、瑞稀くん。」

『うん、ありがとう。』

俺と直樹は微笑みあった。