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飛貴に裏切られた気持ちでいっぱいで…それが悲しくてショックで。
気がつくと俺は涙を流していた。
「 瑞稀くん…泣かないで。 俺、瑞稀くんを愛してるんだ。」
俺の涙を掬うように頬に口付けてくる。
「 誰にも渡したくない。もう、絶対に離さないから。」
俺をきつく抱きしめて、そう囁いてくる。
飛貴…どうして…
俺は…どうしたら…
わからない…
何をどうしたらいいのか…
それから数日後…
優斗先輩が修学旅行から帰ってきた。
先輩から会いたいって…
ラインが来た。
あんなことがある前だったら…
俺も、すぐにでも先輩に会いたいと思っていたはずだ。
だけど今は…会いたくない。
優斗先輩のことが好きなのに…
どうして俺は…
飛貴と関係を持ってしまったのだろう…
飛貴があんなこと言い出したのも…
俺がアイツを受け入れたから。
受け入れなければ…
きっと何も変わらなかった。
だから…こんなことになったのは、俺の所為でもあるんだ。
先輩…ごめんなさい…
俺はもう…先輩とは…
重苦しい気持ちを抱えながら、先輩との待ち合わせ場所に向かう。
「 瑞稀くん！ こっちこっち！」
『 先輩！ 相変わらず、早いですね。』
「 うん、少しでも早く瑞稀くんに会いたくて。」
朗らかな笑顔を向けてくる優斗先輩。
そんな先輩の笑顔が…眩しすぎて。
後ろめたさで一杯の俺は…
直視することができない。
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作者名：wawa | 作成日時：2019年7月9日 9時
