お前らしく ページ25
『で、ちょっと女友達に頼ってみた』
「お前、女友達なんかいたのか」
『失礼な、いっぱいいるわ。…浅くない関係値のやつは、1人だけど』
「そういや、幼馴染が花学にいるとか言ってたな…そいつに頼ったってわけか」
『正解。とにかく目立ちたくない奴で、私とも関わりたがらないし、全力で空気に溶け込んでるから却って情報通。一連の異変について探ってもらうことにした』
A本人も大概変人の類だが、その幼馴染とやらも相当だな。類友か。
そのまま続けたAが言うには、黒幕がいるらしい。
「今までAの話といえば良い話ばかりだったもんね、急に変わりすぎてる感じはあるなぁ」
「敵がいてもおかしくはないけど」
「ひねくれた奴はどこにでもいるからな」
『そのひねくれた敵の何か面倒なスイッチが、この間の弁当配達事件でオンになっちゃったみたい』
「やっぱりきっかけはそこかよ…」
『全く、真澄くんと万里のせいだよー』
「…ごめん」
『えっ、真澄くん?やだ冗談だよ、言ったでしょ?私に害無いって。真澄くん、私のこと信じてくれてるでしょ?』
真澄の頭を撫でて、Aはまた笑った。
「…ん」
『それで十分!』
「…俺も謝ろうと思ったけど、やめとくわ」
『やめとけやめとけ。万里の謝罪とか、どれだけ高くつくかわからん』
「おま、真澄と俺で対応違いすぎね?」
『えーそうかなー』
いや別に、俺も頭撫でて欲しいとかそんなんじゃねーけど!!!断じてちげーけど!!!!!
『ひとまず、幼馴染に探ってもらった上で対応考えるよ。3人にこうして話したのは、迷惑かける可能性があるから』
「迷惑なんて!俺達も何だって協力するから、遠慮しないで。ね、真澄くん」
「…あんたが悲しんだら、アイツも悲しむだろうし」
「はいはい、真澄はカントク基準だからな。そう言いつつAのこと、気にしてんだろ」
「うるさい…万里こそ、学校でAのことしか見てない癖に」
「お、っまえ…」
『まじ?』
「移動の時とか…いつ見かけても、万里はA見てる」
くそ、油断した…。
真澄いじって、Aにはいつもみたく、変なとこで気遣ってんじゃねえよって茶化そうと思ってたのに。
つか学年違う真澄が、俺の学校での様子知ってるとは思わねーだろ。
「あーもう、とにかく!余計な気ィ回す必要ねえ!お前はお前らしくいればいいんだよ!」
ぱちり、とAの大きな瞳が瞬く。
『うん。私らしく、いることにする』
852人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
わず - すごく面白いです!更新楽しみにしてます! (2019年9月10日 14時) (レス) id: 1511d926d3 (このIDを非表示/違反報告)
rena(プロフ) - 更新待ってます (2018年8月30日 2時) (レス) id: 8104f6caff (このIDを非表示/違反報告)
さーや(プロフ) - すごく面白くていつも楽しみにしています!更新応援してます! (2017年9月6日 8時) (レス) id: a8b7ed9872 (このIDを非表示/違反報告)
おにぎり。 - とてもとても面白くて、何回もみています!ゆっくりことこととお待ちしております。 (2017年8月5日 19時) (レス) id: 392125dbe2 (このIDを非表示/違反報告)
ことみ(プロフ) - 最高でした♪ 続き、楽しみにしてます! (2017年7月4日 23時) (レス) id: c79b5cac48 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:群青 | 作成日時:2017年6月14日 9時