応援 ページ23
「自分でわかってるだろうけど、イケメンと関わってるだけで潰れるような安い人望集めてないでしょ、あんた」
『おや、お褒めに預かり恐悦至極』
「別に褒めてない。で、にも関わらずこんな急速に、和藤Aが裏切り者だの何だの流れるのは違和感がある」
なるほど。それで黒幕、か。
『私を故意に貶めようとしている奴がいるってことか』
「そういうこと。周りの生徒達の間では、和藤Aは尻軽だの、優秀なのは見せかけだけで実はただの面食いだの、どんどん苛烈な意見が出てるよ」
『それを本人に言う辺り、さすが』
「はん、そんなことで凹むタマじゃないでしょ。本音は?」
『ゲームが楽しけりゃそれでいい』
「ほら見ろ」
うーん。
黒幕が誰であれ、懲らしめたいとか一矢報いたいとかは思わない。今のところ実害ないし。
『あ、でも』
「ん?」
『最近はさ、劇団の子達と関わる方がゲームより面白い時がある』
「…へぇ。ま、概ね予想通りかな。和藤、雰囲気ちょっと変わったもん」
『マジで?』
「あれでしょ、同じクラスの不良イケメン。女が変わる理由なんて1つしかない」
『…目敏すぎて怖い』
「学校の奴らは気づいてないけどね。それより和藤ビッチ説の提唱に忙しいみたいだし」
『ろくでもない論者がいたもんだな』
「庇ってる子もいるよ。かなり押されてるけど」
『黒幕がそれだけ強いってことか…』
そうなると、このまま放置もまずい気がする。
私だけならいいが、周りに被害が出たら…そう、例えば、
「…MANKAIカンパニー、だっけ?」
『…ほんと、勘がいい…』
「私は悪役寄りの思考回路してるからね。悪いやつが考えることは昔から決まってる」
『ちょっと探っといてくれる?』
「見返りは」
『1週間、私の手作り弁当付きでアシスタント』
「乗った。とりあえず3日ちょうだい」
『おけ』
ひとまず用は済んだ。私は保健室の時計に目を向ける。
あと15分で5限終了。今日は6限はない。
5限目は担任の吉田先生の授業だから、多分5限目の間に帰りのSHRまで終わらせるだろう。すぐ帰れる。
明日も至さんお弁当いるかな。おかず何にしよう。臣さんに相談してみるのもあり?
ツラツラと考えつつ扉に手をかけたところで、思い出したように呼び止められる。
「和藤」
『はいよ』
「…応援してるよ」
少しだけ驚いた。
いろんな意味が込められた、応援だった。
思わずふはっと笑いを零す。
『安心して。全部、負けないから』
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わず - すごく面白いです!更新楽しみにしてます! (2019年9月10日 14時) (レス) id: 1511d926d3 (このIDを非表示/違反報告)
rena(プロフ) - 更新待ってます (2018年8月30日 2時) (レス) id: 8104f6caff (このIDを非表示/違反報告)
さーや(プロフ) - すごく面白くていつも楽しみにしています!更新応援してます! (2017年9月6日 8時) (レス) id: a8b7ed9872 (このIDを非表示/違反報告)
おにぎり。 - とてもとても面白くて、何回もみています!ゆっくりことこととお待ちしております。 (2017年8月5日 19時) (レス) id: 392125dbe2 (このIDを非表示/違反報告)
ことみ(プロフ) - 最高でした♪ 続き、楽しみにしてます! (2017年7月4日 23時) (レス) id: c79b5cac48 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:群青 | 作成日時:2017年6月14日 9時