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『それにしても…トントン達は?』
本来ならこの学園全体を統率する生徒会長としているはず……
「グルッペンとトントンなら、一昨日からかえってへんで」
そう言うコネシマ。
辺りに沈黙が漂う。
「「『ハァ!?!?!?!?』」」
一昨日からって…
脱走にしては長すぎるぞ……グルッペン、トントン。
自由すぎるぞ……
『全く…オスマン、少し力を借りたい。良いか?
……じゃなくて、何が欲しい?
私の体以外で。』
「う〜ん…最近オープンしたスイーツ屋さんの限定ケーキやなぁ。」
『高そうだな、いくらだ?』
「◆◇◆円。」
『まぁそれくらいなら…良いか。
ポケットマネー範囲だ』
『あとは……シャオロン辺りかな。
彼奴なら鼻が効くだろ。』
入学して初めて、真っ先に匂い覚えたし。
俺のことは「リンス先輩」って呼んできたし。
相当リンスの匂い濃いか?俺……
**
「A先輩に呼ばれた気がして」
『おう、呼んだ。
グルッペンとトントンがかくかくしかじかで。』
「ふんふん…あらかた分か……らんわ!!最初から説明せぇ!!」
『えぇとね、グルッペンとトントンが一昨日から行方不明なんだ。
彼らの匂いをたどれるかい?』
「……礼は?」
『んー…特別にアレをやってやろうか?』
「……!分かった!!!」
嬉しそうにした後、彼は峠へと向かった。
……ん?峠?
『ちょちょちょ、シャオロン、どこへ行く!?』
「探すんや」
彼は頂上の岩盤へと上る。
スゥ、と息を大きく吸い、遠吠えをする。
音の波が辺りを覆い尽くす。
「……!Aちゃん!アレ!」
オスマンの指差す方向には……
血を流すトントンに対し魔法を繰り出すグルッペンがいた。
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作者名:かどユキ 芝 | 作成日時:2021年5月24日 23時