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8.繋ぐ ページ10

『それにしても…トントン達は?』

本来ならこの学園全体を統率する生徒会長としているはず……


「グルッペンとトントンなら、一昨日からかえってへんで」

そう言うコネシマ。
辺りに沈黙が漂う。


「「『ハァ!?!?!?!?』」」


一昨日からって…
脱走にしては長すぎるぞ……グルッペン、トントン。

自由すぎるぞ……



『全く…オスマン、少し力を借りたい。良いか?

……じゃなくて、何が欲しい?
私の体以外で。』


「う〜ん…最近オープンしたスイーツ屋さんの限定ケーキやなぁ。」


『高そうだな、いくらだ?』


「◆◇◆円。」


『まぁそれくらいなら…良いか。
ポケットマネー範囲だ』

『あとは……シャオロン辺りかな。
彼奴なら鼻が効くだろ。』

入学して初めて、真っ先に匂い覚えたし。
俺のことは「リンス先輩」って呼んできたし。

相当リンスの匂い濃いか?俺……

**
「A先輩に呼ばれた気がして」

『おう、呼んだ。
グルッペンとトントンがかくかくしかじかで。』

「ふんふん…あらかた分か……らんわ!!最初から説明せぇ!!」

『えぇとね、グルッペンとトントンが一昨日から行方不明なんだ。
彼らの匂いをたどれるかい?』

「……礼は?」

『んー…特別にアレをやってやろうか?』

「……!分かった!!!」

嬉しそうにした後、彼は峠へと向かった。




……ん?峠?


『ちょちょちょ、シャオロン、どこへ行く!?』

「探すんや」


彼は頂上の岩盤へと上る。
スゥ、と息を大きく吸い、遠吠えをする。


音の波が辺りを覆い尽くす。


「……!Aちゃん!アレ!」

オスマンの指差す方向には……



血を流すトントンに対し魔法を繰り出すグルッペンがいた。

9.反逆→←7.大声



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作者名:かどユキ 芝 | 作成日時:2021年5月24日 23時

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