1.新世界 ページ3
「A、そろそろ貴方も4年生になる頃。この偉大なシュヴァルツ家当主になることも忘れてないでしょうね」
家族からの重圧
『忘れてなどいませんよ、お母様。
真摯に考えることこそ長女の勤め。
現当主はなんとも心が広いことでしょう。女である私にも地位を譲ってくださる…感服致します。』
虚言。
赤いカーペットの敷かれた高級そうな造りの部屋を出て、私は真っ先に自室へと向かった。
ふわふわとしたベッドに倒れ混む。
『俺はこんな世界望んでねぇっつの!!
何だよ!!前世で教官の話中に寝こけたからか!?それとも、好奇心で仲間と女兵士の着替え覗いたからか!?』
……いやめっちゃ、罰当たることしとる……
なんでこんなんなってるか、具体的に説明しよう!
俺は元々かの栄光な日本軍の兵士だ。
背を向けることは恥。
そんな父からの最期の言葉を延々と信じ続けて、戦場を駆け抜けてきた。
あの世代では天皇は神に等しい存在だった。
俺はずっと、その神なる天皇に血肉を捧げる思いで、銃を握っていたのに。
米軍の開発したミサイルが我が家族のいる土地へ、降り注がれた。
雨のように、。
残酷だ、嗚呼。
あいつらは何も悪いことなんてしてないのに。
「罰を与えてください、俺に。
俺だけでいいから。」
そういって降り注がれるミサイルに向かって言った。
それが最後だった、はずなのに。
『あぁ、そっか。
また見知らぬ土地で一人で生きることが俺への罰なのか。』
勝手に納得した。
あの時は確かに死を、望んでいた。
なら反対に、また生きることを罰とすればくだされた方はより一層苦しむことになる。
『でも、どうしてこんなに俺は美しく生まれ変わったんだ……?
罰とするなら醜い生物でも良かったのにな……』
?「別に、罰じゃないのに…」
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作者名:かどユキ 芝 | 作成日時:2021年5月24日 23時