10.裏切り ページ12
結局、始業式は遅れた。
先生にはガンを静かに飛ばされただけで済んだものの、やっぱり信頼は落ちたな……
そう言えば、ゾムとロボロはどこの寮に入っただろうか。
この学園には、異端の12の魔女がかつて存在していた。
彼女達は、人の憎しみなどの感情から起こる戦争を酷く嫌っていた。
その為、人と魔女達の境目を作った。
そうなれば害を為さないと思ったから
けれど、ここに通う奴等の中には人間も存在する。
それは何故か。
私達、人間族がかつて同盟を結ぶために人の子を送った。
それが、私。
Aだ。
私は妖精に愛を貰い、丁度10の齢になるまで育てられた。
それがきっかけで人と魔女は同盟を結び、この学園に通うことを許可された
この広き学舎には、13の寮が存在する。
【白羊の魔女】の寮
エアリーベリエ寮
【金牛の魔女】の寮
トーラスシルト寮
【双児の魔女】の寮
アンフィルゼーレ寮
【巨蟹の魔女】の寮
ゼガンシエール寮
【獅子の魔女】の寮
テイールレオン寮
【処女の魔女】の寮
シーヴェルジエ寮
【天秤の魔女】の寮
ヴィランセリオ寮
【天蝎の魔女】の寮
スカルピアーネ寮
【人馬の魔女】の寮
ユーシャルツェ寮
【山羊の魔女】の寮
ボルフシュタイン寮
【宝瓶の魔女】の寮
アクリアエリス寮
【双魚の魔女】の寮
エリーアピティエ寮
そして、神々の寮とされる
【ツヴァイハイツ寮】
この寮の選別は、その魔女に合う人格であることが第一である。
年々、熱血な魔法士が増えてきているが怠惰であればまず、白羊の魔女に見初められることはない。
彼女は努力家で、諦めないという点があることを自分の取り柄としていた。
故に怠惰で、名の通り努力を怠る人間が大嫌いだ。
全ての人格を魔女の魂が見るのだ。
血肉を通り越し、魂の人格を。
「A先輩!!!」
『んーと、君は？』
記憶に霞がかってる……
誰……？
「シャオロンっす、ちっす」
『あぁ、初日でコネシマと喧嘩して壁をぶち抜いたのは君か。』
記憶の裏にある、取っ組み合いをする彼らと穴の空いた壁。
「それ、覚えてたんや……」
『あの先生の焦りよう…傑作だったな』
学園長は現れなかったが、少し肥えた体型の教師が慌てて二人に拘束魔法をかける前の顔……
『ふふふ、あっはは！！』
「ちょ、笑うな!
……俺まで笑うやろがい!!」
結局、二人で笑って授業をサボった
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作者名：かどユキ 芝 | 作成日時：2021年5月24日 23時
