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タクシーの中から手を振るシルクに振り返す
曲がり角で見えなくなってからも少しの間ぼーっとしていた
酔いが少し冷めたタイミングで家に戻り楽な服に着替える
シルクに一言今日のお礼を送り、バッグを開くともらったキーホルダーが光っていた
私のほうが楽しんでた気がする…
今日の出来事を思い出す
犬に癒されたり美味しいご飯を食べたりしたはずなのに
思い浮かぶのはどれもシルクの表情ばかりだ
「…ん〜〜ッ」
表現のしようがない感情がむず痒い
自分では埒があかなくてあいりにLINEする
"明日、行ってもいい？"
理由は言ってないけど今日のことだとお見通しだろう
"いいよ"と短く返ってくる
返信を見届けると疲れからかそのまま深い眠りに落ちた
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次の日。
私は本田家に遊びにきていた
ンダホくんは撮影でマサイの家に行っているらしく不在だった
私を見つけゆっくり近付いてくる天使くんを膝の上に乗せ癒されていると
あいり「はい、で？どうだったの？」
とニヤニヤしながら見つめて来る可愛い瞳。
A「この前奢ってもらった代わりにって行ったけど、何か結果私のほうが楽しませてもらった感あるんだよね。結局全部払ってもらっちゃったし何ならプレゼントまで貰っちゃった」
そう言いながら家の鍵に寄り添うキーホルダーを見せる
あいり「別にいいんじゃない？シルクも無理してるわけじゃないんだし」
A「そうかな…？」
あいり「っていうか、そんなこと言いに来たんじゃないでしょ？(笑)」
やっぱり親友は鋭い。
A「ん…昨日のこと思い出すと、全部感想がシルクになる」
あいり「は？(笑)どういうこと(笑)」
A「ご飯の美味しさとか正直思い出せなくて、何かシルクの表情ばっか思い出す…脳裏にシルクがずっといる」
何で？と問いかけるとあいりは少し俯く
何か考えているのかと思ったのも束の間
あいり「あんた馬鹿なの？(笑)」
そんな言葉が降ってきた。
A「え、なんで!? ってかそれ悪口！」
目の前ではお腹を抱えて爆笑しているのが目に映る。
真剣に相談してんのに
あいり「まさかここまで鈍感だとは…(笑)」
A「ねえ、真剣なんですけど！」
あいり「それってさ、シルクのこと好きなんでしょ」
"好き"
思い浮かばなかった2文字に動けなかった。
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作者名：みーみ。 | 作成日時：2022年9月18日 22時
