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(シルクside)
まだ離れがたくて軽く飲もうと誘うと快く受けてくれる
少し薄暗く雰囲気のある店内で見るAの横顔は
無邪気な普段とは違って色っぽくて。
酒のまわる速度を加速させる
思わず手を握りそうになったが
"Aには触れないでね"
そう言っていたツマホの顔が浮かんでその手を引っ込める
あぶね。
とはいえ、少し明るく話していないとAの普段とのギャップとこの雰囲気に呑まれそうになる
キーホルダーを理由にしてわざと雰囲気を変えた
本当は別れ際に渡そうと思ってたんだけど、仕方ないか
遠慮がちに受け取るも、Aの表情は喜びに満ちていてその姿で自分の心も満ちていく
…今日で少しは意識してくれたかな
そんなことを気にしながらAとの会話を楽しんだ。
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お互いある程度ほろ酔いになった頃、トイレに立ったついでにマスターに"会計して"と声をかける
「なに、女の子連れて来るの初めてじゃん」
彼女?なんてニヤニヤしてる
そのニヤついてんの気持ち悪いから辞めてくれ
シルク「違うよ。…まだね」
そう付け足すとさっきよりニヤつく
「へぇ、まだ、ね。余裕じゃんよ(笑)」
シルク「うるせえ(笑)」
マスターを一蹴すると
…気持ち読めなくて全然余裕ねえよ
1人で苦笑いを浮かべた
シルク「A?そろそろ帰ろうか」
A「うん」
返事をするAの顔はランプの灯りと酒が相まってほんのり紅く染まっている
そんな彼女の姿に俺も理性を保つのがギリギリだ
そう思いながら見つめるけど
当の本人はふわふわしてんのか全然気にしてない
マスターと一言交わすと店を出てAの家まで向かった
シルク「今日は付き合ってくれてありがとう。」
タクシーを降りるAの後ろ姿にそう伝える
A「私の方が色々してもらった気がするけど…私も楽しかった。ありがとう、あとごちそうさまでした」
本当毎回丁寧だよな
シルク「また連絡する。」
そう告げ走り出す車の中から手を振った
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作者名:みーみ。 | 作成日時:2022年9月18日 22時