約束* (ページ6)

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A 「お仕事逃げ出していいんですか？(笑)」

ンダホ「いや、ダメだけどさぁ！俺編集嫌いなのに、企画でも編集すんの嫌じゃん！」

聞きなれない言葉に私は首を傾げた。

…編集？

モトキ「あ、編集って撮影したものに文字とか効果音とか写真とか入れて分かりやすくすることね？ほら、バラエティ番組みたいな感じ。」

そんな私の思いを汲み取ってくれたのか、聞く前にモトキさんが説明してくれた。

…なるほど。分かりやすい。

A ｢じゃあテレビでいう演者、放送内容、撮影、編集、を全部自分たちでやるってことですか？」

モトキ「あーそうそう。そういうことになるねえ」

そう思うと結構色んなことやってんな。とシルクロードさんが呟いた。

結構…どころではないと思うが。
そう思ったが、あえて口には出さないでおこう。

A「どんな動画出してるんですか？」

そう聞くとシルクロードさんは動画を１つ見せてくれた。
動画の中の彼らはすごく楽しそうで、仲良さそうで、
キラキラしていた。

と同時に、動画内で常に笑顔の彼らに切なさも感じた。
この笑顔の裏では、さっきモトキさんが言ってたような大変な仕事してるんだもんなぁ。

どうだった？
見終わるとそう言いたげな4人の顔が視界にうつる。

A「面白かったです。みなさん楽しそうで」
そう伝えると、彼らの顔が緩んだ。

A「youtuberってなんか…ピエロ、みたいですね」

ンダホ「え、ピエロ？俺たちピエロみたい？(笑)」

何気なく呟いた一言が、まさか拾われるとは思っていなくて焦る。

A「あ…いや、似てるとかそういう意味じゃなくて(笑)
動画見てたら、youtuber楽しそうだなって思います。
仲間とやってるし、そりゃ楽しいのはもちろんだと思うんですけど、その裏にはそれ以上の大変さと努力があるんだろうなって。でもそれを動画には出せないじゃないですか。
それが単純に凄いなって。
辛いことがあっても、そういう気分じゃなくても、ピエロみたいに見てる人を楽しませるために笑顔を作ってるときもあるのかなって、思っ、て、、」

そこまで言って彼らから一言も返事が返ってこないことに気付くと、やらかしたと思った。

気まずそうに歯を食いしばりながらあいりのほうに顔を向けると、あいりは目を細めて静かに頷いた。

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